書画の紙(乾燥工程・板張自然乾燥) みなせトップへ
     
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紙漉(製造)工程のうち「乾燥(紙干し)」  自然乾燥・天日乾燥(天日干し)・日陰乾燥(日陰干し) 
  半紙 臨安・白雪 乾燥工程の温度を一定温度迄に押さえ製造
  半紙 板張・白雪 板張り自然乾燥日陰干し
  画仙紙 臨安・白嶺 乾燥工程の温度を一定温度迄に押さえて製造
  画仙紙 板張・白嶺 板張り日陰乾燥日陰干し
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   紙漉の乾燥工程は「天日乾燥(天日干し)」がよいとされ、私もそう思いこんでいました。
 しかし、国産手漉半紙・画仙紙などの下請け工場を運営し、製造工程・製品検査など一連の商品&品質管理を依頼している中国手漉紙管理者から、書画の紙としてより良い撥墨など諸々の目的のためには天日乾燥より「日陰干し」の方が数段優れているとの指導を受け、試み、その差を実感。
 即刻その「日陰干し」工程を取り入れた画仙紙を試作するよう指示、2ヶ月足らずで送られてきた純手漉画仙紙板張り自然乾燥日陰干し」の試作画仙紙は、ひと味もふた味も違う昔懐かしい味わいを持つ紙でした。
 本物だけに与えられる雰囲気、存在感が感じられたのです。この製紙廠(工場)は日本「※※紙」の下請製紙廠でしたので「古き良き時代の※※紙」が再生されたのです。
1960年代にはまだ日本※※で製造されていたあの本物の紙だ・・・・と“懐かしい感覚”を呼び覚まされたのです。

 紙を手で漉きあげ、漉いた紙の水分を絞り込み乾燥作業にはいる、
 かつては「(木)板」に貼りつけ乾燥させていた。その板の代替品に鉄板、モルタル壁などで空間を作りそこに高温の蒸気を通す。紙の乾燥適温に温められた鉄板の壁、モルタルの壁に紙を貼り付け乾燥させる。
 これが、以降の手漉紙製紙廠(工場)の多くで一般的に行われている純手漉紙の乾燥工程です。

 この乾燥工程の温度を、伝統的に守られてきた温度よりほんの少し高くすることで生産性は一挙に高まります。
 が、肝心の紙質は伝統的に守られてきた温度の範囲で作られたものとは異なってしまいます。
 大抵の場合、感覚的に紙質が堅くなったと感じられる紙になります。
 これは手漉紙としての趣の減少につながり、そしてそれ以上に線質・墨色には大きな影響を与えます。
 線質・墨色の変化巾が狭くなり、結果として作品構成素材の巾を減少させてしまうのです。

 製造手順は、純手漉としての手順をキッチリと踏んだ上で乾燥工程に至る。この乾燥方法は板に張り付け太陽の下で乾燥させる「天日干し」が最高の紙を作る条件の一つと思っていました。

 1970年頃から硯、筆を主に中国輸出公司とコネクションを持つ弊社は中国製造の紙も既に輸入していました。
 その流れにのり、国産紙の下請紙製造委託の要請が舞い込んだのは1980年代半ばよりは以前だったと思います。
 これをきっかけに書の紙を中心とした紙の委託製造に取りかかりました。
 
 試行錯誤の末、品質がある程度安定し管理を任せられるようになるまでは年に10度ほど、毎月のように現地を訪れていました。
 書画の紙として最高の品質との定評ある「安徽省宣紙」ではなく、中国手漉き製紙環境にはそれほど馴染みのなかった日本の紙を、それも伝統の※※紙の下請品を作ろうというのです。
 紙原料の叩解から漉き上げまで製紙手段を日本の紙漉職人さん達から詳しく聞き、それを現地の製紙関係者に伝え、時には日本の手漉紙職人さんたちの指導を受けました。

 委託製造の紙漉工程 & 製品品質に一定の安定が見られるようになり、現地責任者に託した監督組織の製品管理意識が、徐々に「市場経済」への適応力を持つように変化してからは、日本から足繁く現地に通う必要もなくなり、生産現地まで訪れるのは年に数回程度に、また、多くの制約があった来日も、毎年何度か中国から来社してくれるようになりました。
 2003年9月に来社した中国産地の紙管理者と商談や管理体制の確認などの話の中、前述の「天日干し」より「日陰干し」がより優れているとの言葉が出てきたのです。
これら“板張乾燥工程”の写真は、製造工程&品質管理を委託している浙江省の
林女史(1970年代からの付き合いです)が撮影、メールで転送してくれたものです。

紙漉き場で一枚一枚漉かれた紙は、手際よく重ねられ、重しをかけることで余分な水分が絞られます。
その重ねた紙を適量ずつ持ち出し、
木の板に貼っていきます。
乾燥工程 板張自然乾燥の写真を沢山送ってくれました。
男女平等、共働きがほとんどの現代中国を示唆しているかの如く、元気なジーパン姿の「若くたくましい女性の作業写真」が多く、日本人が持つ「紙漉き場のイメージ」とは異なります。
 天日干し作業工程「画像」
 

板に貼った紙はまず
「天日にあて余分な水分をとばします」

適当な水分量になった紙を日陰に移動させ、
ゆったりとした時間経過の中、乾燥を続けます。

すぐに製造準備にはいるよう依頼、前述の環境もあり依頼後わずか2ヶ月程度で試作紙が入荷しました。
この試作紙に本物だけが発する雰囲気を感じとり・・・・そして本格的な製造に取りかかりました。

入荷した現物も見本漉き段階と同様の出来映えで、まさに「本物だけに許される雰囲気」を持っています。
実際に書き手に「書くこと自体が楽しくなる」 
           「もっと書いていたい」と感じさせるのです。
          (画仙紙「板張・白嶺」 半紙「板張・白雪」

製造に手間暇が必要で制作数は限定されますが安定入荷する予定です⇒以降の「一人っ子政策を遠因とする実労働人口の減少。一人っ子政策により小皇帝として育てられた実働適齢期年代の現業就業忌避」など、予想もしなかった中国現業環境の変化で製紙が進まず、に船積みも途切れがち。が現状です。
この紙製造上の重要なポイント「板張り自然乾燥日陰干し」工程に準じる「乾燥工程の温度を一定温度迄に押さえ」て製造・輸入している(「臨安・白嶺」)を、更に更に紙作りの原点に回帰させたのが「板張り日陰乾燥」の画仙紙「板張・白嶺」です。   

これら画仙紙と同様に造った半紙「臨安・白雪(乾燥工程の温度を一定温度迄に押さえ製造)」と板張・白雪(板張り自然乾燥日陰干し)」も画仙紙同様にご愛顧下いただきますようよろしくお願いします。
和画仙紙のうち「因州紙」の代替紙として試作を続けて参りました画仙紙が完成、入荷しました。
例えて言えば昔の「因州白蘭」のような紙質になればと努力を重ねました結果満足できるものが出来ました。
紅星牌に代表される安徽省宣紙とはひと味違う雰囲気を持つ因州白蘭は、紅星牌同様その高名さから様々な模倣品が出ています。
因州白蘭と聞いて「なんだその程度のものか」ととられる方もあろうとは存じますが本来の因州白蘭の素晴らしさが何とか再現出来たのではないか自負しています。
因州白蘭の下請、韓国製画仙紙で弊社名「白嶺」の名を継承し「板張・白嶺」として、また板張りではありませんが板張・白嶺と同様製品の純手漉画仙紙を「臨安・白嶺」としてとり揃えました。
越前和紙  岩野市兵衛さん(人間国宝) 取材 越前「杉原商店」様の  こだわりの和紙作り

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