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中国伝統の竹紙、古くから漉かれ流通する中国福建省土紙「南扣紙」や浙江省龍遊の「老灰紙」などが日本に入り「一番唐紙」と日本独自名が与えられ、そして今も「一番唐紙」と呼ばれることが多い画仙紙の主たる紙種に以下があります。 |
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多くの画仙紙種のうち日本で「一番唐紙」と呼ばれる画仙紙、産地「中国」では「老灰紙」、或いは「南扣紙」と呼ばれます。
「老灰紙」「南扣紙」が日本で言う「一番唐紙」の本来名です。
日本独自の「一番唐紙」と言う呼び方、それはこれら福建土紙や龍游紙の多様な紙種の一部「南扣紙、老灰紙」の類を指す日本の俗称で、中国に「一番唐紙」の呼び方は本来なく、これらの紙種を「日本では一番唐紙と呼ぶ」と知っている中国人以外に「一番唐紙」の呼び方は通じません。 |
日本では長らく、製品として出来上がった老灰紙等を紙料に叩解し、漉き直した紙(日本製)「一番唐紙」が生産されて来ました。その製紙量は激減しましたが現在も日本の一部産地=因州などにて作られています。
これには老灰紙等を叩解し作った紙料に他の紙料を混ぜ製紙し「一番唐紙」とすることが普通です。 |
現在の中国生産状況は、地球環境対策の一つとする、紙料としての「竹」使用が厳しく制限され、浙江省龍遊地域の生産割合が、対福建省比で増えている様子です。 |
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※ 「一番唐紙」とよく似た名前の「二番唐紙」もやはり日本での俗称で、紙料は「一番唐紙」と同じく「竹」ですが、紙料処理が異なり一番唐紙とは全く趣の異なる紙質に仕上がっています。
この「二番唐紙」は、産地中国では「将楽毛辺紙」「玉扣紙(長汀玉扣紙)」と呼び、一番唐紙が日本に於ける俗称であるのと同様に「二番唐紙」の呼び方も、これらを日本では「二番唐紙」と呼ぶ、と知っている極一部の人たち以外には通じません。
「二番唐紙」の類で日本で流通する製品に「毛辺半紙」「白蓮半紙」「玉扣半紙」、これらは日本でも中国の商品名で呼ばれることが一般的です。そして「長汀統一玉扣紙四尺判」「將楽毛辺紙四尺判」などは日本では「二番唐紙」と呼ばれます。
このうち「玉扣紙(玉扣半紙を含む)」は2003年ころから、地球環境保全のため、とする中国政府の強力な公害対策の影響下、紙料処理が変わり旧の製品とは異なる趣の紙、少し乱暴な説明ですが一番唐紙と二番唐紙の中間的な紙質に変わっていました。時とともにこの紙料制限は他の竹紙に及び、福建土紙の全ての紙質が、紙種による変化の幅の差はありますが旧来のものから変化しています。
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以降の時間流に連れ福建土紙の多くは、紙料処理の対策改善が進み、一時期生産の紙質感から旧来の福建土紙各紙種の方向の雰囲気に、紙種それぞれによる進捗度や紙質の雰囲気は少し異なりますが、多少とも戻りつつあります。 |
以上の一番唐紙・二番唐紙とは別個、「福建玉版」「粉連画宣紙」「粉連半紙」も数多く利用されている福建土紙です。
一番唐紙:
ざっくりした素朴な感覚を持ち、撥墨も独特の柔らかさ・奥深さを感じさせてくれる趣有る紙質で幅広い利用者の支持を得ています。
二番唐紙:
スッキリとした抵抗感の少ない紙面を持つ紙料密度の高い紙質で、この紙質がもたらす「扱いのよさ=書き易さ」により多くの支持を得ています。反面、一番唐紙の持つ奥深い趣を感じることは余りありません。
⇒二番唐紙≒将楽毛辺/玉扣紙、粉連紙、福建玉版宣等の種類・価格 |
『元祖一番唐紙』 ⇒種類・価格
元祖一番唐紙 : 老灰紙や南扣紙のことを日本では「一番唐紙」と呼んでいることを中国では画仙紙関係者の中の更に極一部しか知らなかった時代、南扣紙・老灰紙ともに画仙紙規格ではない約60×90センチの大きさで製造されていました。
みなせはこれらの工場の一つに投資し画仙紙規格の「漉舟・簀の子」を造り「全紙、尺八屏、六尺判」等を製造・輸入、これに中国式の紙名前「老灰紙・南扣紙・・・」ではなく日本の呼び方「一番唐紙」を生かし「元祖一番唐紙」と名付けました。
これが「元祖一番唐紙」の名前の始まりです。 |
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老灰紙のうち「精品竹選老灰紙」 ⇒種類・価格 |
これを生産したのは20世紀末に差し掛かる、1980年代半ば過ぎから2006年までです。 |
主原料は精選された「竹」、他の「一番唐紙」「二番唐紙」と同様に、竹の色が時間経過と共に変化するのと同様、漉き上げてからの時間経過により「当初の黄色みを感じる薄茶系の茶色から時間経過と共に渋茶色」に変化することが多い紙です。
自然の色、そしてそれから生まれる落ち着きのある撥墨、ともに典雅な趣を感じられると思います。 |
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その独特の書き味で好評な「老灰紙」ですが、曾て製造されていた中国伝統の老灰紙の寸法は画仙紙規格ではない約60p×90p程度の小さなものだけでした。とにかく安く、加えて味のある紙質で書家の心を掴んでいるのですが、反面、この紙の規格寸法、破れ、穴あき、著しい厚薄の差、不安定な入荷等々品質・供給面共に大きな問題があったことはご存知の通りです。
この老灰紙独特の持ち味を生かしたまま、質的にも、寸法的にも、価格的にも満足していただける紙を目指して中国で開発を進めていましたものが完成、画仙紙としての「日本規格適合判、日本公募展規格適応判」の各寸法が入荷、多くの方にご利用いただいています。
原料の選び方一つで、老灰紙のような味わい深い紙は大きな影響を受けます。
「精品竹選老灰紙」は主原料の竹選びから始め、厳選した竹を使用しています。
紙漉工場も、みなせの長年に渡る中国での紙漉きの経験から、ここなら間違いなく要望を充分満たしてくれると言える工場を選びました(製造&品質管理委託先 浙江省工芸品公司)。「精品竹選老灰紙」はその持ち味に更に磨きがかかり、更に品質面でも「手漉画仙紙として平均的な許容範囲下に収まる製品」に育ちました(純手漉紙として当該業界で許容される厚薄、色合い、滲み・・、等々の製品差はございます)。品質面の不安定さにより使用を躊躇われていた方々へも「手漉としての許容範囲下に収まる“主原料が竹の画仙紙”として一級の秀品に生まれ変わりました。 只、良質原料の供給量が少なく製造数は年間400反に過ぎません=製造&品質管理者談。 |
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「精品竹選老灰紙」 |
の継続生産は困難な中国産地の現状です。 |
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精品竹選老灰紙は弊社既輸入品=現在庫品のみの取り扱いとさせていただきます。 |
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⇒一人っ子政策がもたらした紙漉き職人など厳しい作業を伴う作業所への現業員就業者の絶対的不足、加えて21世紀に入り暫く経過した頃からはじまった、中国政府の地球環境保全のための公害対策の一環とし竹紙料使用が厳しく制限されましたので、同品の再生産は困難であると捉えられます。 |
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「竹紙料の使用制限、と言うより使用禁止令」により紙質が大きく変わってしまった老灰紙ですが、
2018年、ヤット成功しました。本来の老灰紙「真竹老灰紙」の製紙、契約、輸入に成功しました。掲載はこちらです。 |
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本来の老灰紙「真竹老灰紙」へ |
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一般老灰紙 ⇒種類・価格 地球環境保護のための環境保護令、それに伴う公害対策の強化 |
こちらも主たる紙料は「竹」で、「一般老灰紙」との商品名は、
みなせが生産する「精品竹選老灰紙」に対応する「普及判 老灰紙」との意味合いを込め『一般』と『老灰紙』を合わせ作ったみなせ「造語」です。その後、紙の普及とともに販路の多くでも≪一般老灰紙≫の名が利用されている様子です。
精品竹選老灰紙を生んだその元の伝統的な「老灰紙」は、当時の中国製紙環境から穴あきや破れ、寸法足らず等など多くの問題を抱えていましたが、それでも尚、その味わいと低価格により多くにご愛好いただきました。
この老灰紙を、日本市場の使用に耐える管理・検品をし、画仙紙の基本寸法+公募展規格寸法の一部に適応できるように製品化し、価格も安く抑えた「一般老灰紙」、そして老灰紙を晒し「白っぽい薄茶」にした「白唐紙」ともに各規格が揃いました。
「品質・寸法」の安定を以前より格段に向上させた製品で曾ての品質の不安定さはある程度解消されました(純手漉紙として当該業界で許容される厚薄、色合い、滲み・・、等々の製品差はございます)。老灰紙は、「紙料密度、紙料の選別度」などによる製品品質差別化があり、大きく分けて四段階の一般老灰紙に区分けされていますがみなせはこの内『A級=紙料密度等々一番上のクラスの製品』を契約しています。 |
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「竹紙料」が大前程の「老灰紙」など竹紙ですが、21世紀初頭期、中国北京政府から発令された「地球環境保全のための環境保護令」に応じ中国各地政府は「公害対策」を強化しました。その主対象のひとつが「手漉紙」で、公害対策を充分構築出来ない「製紙廠」は廃業をやむなくされました。
公害対策をとれた比較的大型の製紙廠も「対策費」により、更に一人っ子政策に伴う労働人口減が重なり、日本下請け紙を含む全ての「手漉」半紙や画仙紙は高騰しました。
「(一般)老灰紙」「毛辺紙」「粉連紙」「連史紙」等々高人気を続けてきた全ての竹紙料紙の紙質変更は避けられず、「老灰紙」も竹紙料時の紙質範囲に収まるように手ざわりや吸い込みなどを、対公害令に触れない竹以外の紙料配合により「竹紙」の雰囲気に合わせ、「紙の色調」は「漉込み染加工」により竹紙料時の色調に合わせ製紙したものを「老灰紙」として出荷してきました。
この度(2017年秋)、本来紙料=竹紙料を使用した老灰紙の、僅かながらも復活製紙の情報が届きましたので早速契約し、船積みを待っていましたが2018年2月末に無事通関、中国漉元が名付けた「真竹老灰紙」そのままの名で発売を開始しました。 |
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白唐紙 ⇒種類・価格 「白唐紙」:前項の「老灰紙」紙料を更に晒し老灰紙同様に漉いた白色系竹画仙紙全般を指します。 |
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