製紙廃液には公害対策が欠かせない。出来た紙の安全性は???
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手漉紙も含め紙料(紙の原料、ほとんどが竹や藁などを含む植物や木材チップを叩解し紙漉きに適したペースト状にする時「苛性ソーダ」が使用されます。
手漉紙のごく一部などでは、漉く紙の種類等々により「苛性ソーダ」を使用せず「灰汁」や「ソーダ灰」を用いる場合もあります。
紙を漉いた後の「廃液」⇒使用(製紙)後の「紙料溶液」を廃棄するとき、公害対策としてこの液を処理してから廃棄せねばならないのは紙料叩解時に使用する「苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)」の性質「強アルカリ性」によります。
「紙料を溶いた液」に「硫酸」を投入し「強アルカリ性」を中和し環境に対して無害な液に戻した後廃棄します。
しかし、≪漉いた紙≫は強アルカリ性の苛性ソーダ溶液で処理された紙料で作られているにもかかわらず「苛性ソーダ使用」による問題は全く生じません。紙に残る「強アルカリ性」は空気中の「二酸化炭素」と反応し直ぐに無害の「重炭酸ソーダ(=重曹)」に変化するからです。
 重炭酸ソーダ(=重曹)は調理やその下ごしらえなどにも幅広く用いられるもので無害です。
以上のこと、「書で使用する手漉紙」は無論、機械漉きも書や水墨画など墨を基調とするアートの世界で普通に目に触れ、そして手に取ることが出来る紙の「毒性」などの心配は不要です。

≪苛性ソーダ≫ そのもの:
常温では無色無臭の固体。試薬としては白色の米粒状やフレーク状であるものが多い。水に容易に溶ける(20 ℃ での溶解度は 109 g/100 mL)。水に溶かす際に激しく発熱する 。苛性ソーダの強いアルカリはタンパク質を腐食させる。皮膚等に付いたまま放置すると皮膚がぬるぬるするのは、皮膚が水酸化ナトリウムによってとかされ、反応を起こしたものがぬるぬるさせている。直ぐに充分な水で洗い流がし、特に、眼に入った場合失明のおそれもあるので、決してこすらずによく水で洗い、医師の治療を受けること。

前述と重複しますが再度≪漉き上がった「手漉紙、紙」に「製造過程で苛性ソーダを使用していることによる毒性」は全くなく、「苛性ソーダ本体」を扱う時の注意とは無縁のものです。≫
なお、ここでのご案内は私が知り得る範囲の『書・水墨画などの墨アート』で使用する「手漉画仙紙」「手漉半紙」、及びそれらと同様に製紙される紙=の範囲にとどめさせていただきます。
簡単ですが、 以上ご案内します。
 山口j一(山口そう一)
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