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印泥とは?   本朱とは?
泥の「種類」「規格」「価格」 / 「印泥の頁」へ
 
H.P.トップ頁 篆刻トップ頁 ?? 印泥は毒 ?? 印泥の 色調 と 品質 の関連性 ?
 
印泥
 
 印泥の原料
書などのアートで使用される「印泥」は天然素材「辰砂=硫化第二水銀」を主原料に、中国各製造元秘伝の「あぶら」、精製した「植物繊維」を加える「伝承製法」により造られます(墨「本朱墨」の主原料も「辰砂=硫化第二水銀」です)
  中国伝承の印泥原料、
その一つが「辰砂=硫化第二水銀」で、更に草の繊維様のものと油が使用されます。
草の繊維様のものは「もぐさ」であると言われています。       ※もぐさ⇒キク科ヨモギ属の多年生草木
以下は「印泥構成物のひとつが“モグサ”であると言われる、その原料工程」の伝聞をまとめたものです。
乾燥させた「よもぎ」の葉繊維を細かく細かく擂(す)り砕き「ふるい」にかけます。この作業の繰り返しにより「もぐさ」が出来ます。 この「もぐさ」工程より更に厳しく確実に、そして精緻に工程を行うことで「よもぎの葉」は葉の裏の色(白っぽい銀色を思わせる綿毛まがいの風合い)が金色に近い薄黄色に変化します。これが印泥製造時に使用される“特別なもぐさ”である。 と言うことです。
辰砂(硫化第二水銀)と並んで重要な構成物がこれらを混ぜ合わせる「あぶら分」です。
この「あぶら分」は、巷間伝えるところによれば「ひまし油」、と説明される場合があります。
が、「ひまし油」で実験しても印泥としてしっくりとした感覚には仕上がりません。
中国の代表的な有名印泥廠、上海西冷印廠の関係者に聞いてみましたら「ひまし油には基本性質の異なる種類があり、日本で多く使用されるひまし油と、印泥の主素材のひとつとして上海西冷印廠が使う「あぶら」とは多少とも成分が≒性質が異なるのだそうです。  
この「あぶら」。 この調合こそがそれぞれの印泥廠、更にはそれぞれの職人が秘伝として大事に守り、継承する。
しかし、外部に公表しない印泥最大の秘法なのです。
以上のものを丹念に練り合わせる、この練り合わせの技術も印泥の品質を高める重要な要素との説明もありました。これらにより印泥は完成します。

印泥の毒性: 『印泥』や『本朱墨』の素材=原料「硫化第二水銀(バーミリオン)」
  生物が生活する通常生活環境で害性はなく無毒です。
硫化第二水銀であるバーミリオンは、殆ど水に不溶なため『毒劇物法』では≪普通物≫として扱われる。
顔料を加熱した際、分解して有害な硫化ガスを発生する。日本画の技法等で焼き色を作る場合に危険がある。
常温では夏期でも分解する危険性はない。
バーミリオン等で急性中毒を起こした事例は知られていない。
 
出典:「医薬品情報 21( http://www.drugsinfo.jp/)」 
「印泥」「本朱墨」の原料、硫化第二水銀(HgS)は塩化水銀(Hg2Cl2:甘汞)と同じく極めて難溶性のため体内に取り入れても吸収されることは考えにくく、意図的に大量に摂取しない限り毒性はない と言える。
 1ページ目 硫化水銀(II):「危険・有害性の分類」
     ⇒ 「摂取した場合有害」、  これは「摂取しなければ安全」と言うこと。
 「毒物」ある対象の場合 : 「生命の危険」や「激しい損傷」等の表記がある。
     ⇒ これらの表記のない硫化水銀(II)の場合は比較的安全な化合物と判断できる。
 3ページ目
 有害性情報 : 毒性が高い化合物の場合「半数致死量や試験結果等」が示される。
     ⇒ 「硫化水銀(II) 」はデーター無し、 「データ無し」は安全性が高い事の裏返しと考えらる。
以下は国内での硫化水銀の製法です。   
資料 公益社団法人日本工芸会 様 H.P.https://www.nihonkogeikai.or.jp/about)


  
NIHON KOGEIKAI


朱と胡粉
 
平成10年10月27日更新
 
第26回 日本伝統工芸近畿展図録より転載しました。

(平成 9年 5月 1日発行)
 
 
 
朱と胡粉
 
一朱一
 
朱は赤色の顔料で、科学的には硫化水銀(水銀と硫黄の化合物)といい、銀朱とも呼ばれる。天然には辰砂(朱砂・丹砂・丹朱)という鉱物として産出する。我が国でも古代から産出しており、『続日本紀(しょくにほんぎ)』文徳天皇2年(698)では伊勢国から朱砂が献じられたことが記載され、高松塚古墳や法隆寺金堂(7世紀)の壁画に朱が用いられていた。原料となる水銀は室町時代までは有力な輸出産品であったが、枯渇し、江戸時代には輸入国に転じた。また、江戸時代には幕府の許可により大阪堺の朱座で独占生産していた。

 朱は、根来塗(ねごろぬり)の鮮やかな朱色に代表されるように、漆と密接不離の関係にあり、現在も主に漆器に用いられ、一部が高級絵具として使われている。 現在我が国で朱を生産している業者は、江戸時代に大阪に朱座があった関係からか、全て大阪府にある。日華化成(大阪市淀川区)、金華科学(大阪市阿倍野区)など4軒あるが、いずれも明治時代から大正時代の創業である。

 今回は金華科学工業所を取り上げさせてただいた。

 金華科学は、明治時代の京都の蒔絵師として著名な五代山本利兵衛の弟、山本吉兵衛が明治末期に京都から大阪に移り、独立して漆用の朱顔料製造販売に従事したことに始まる。製造しているのは、赤味が強い方だから、本朱・赤口・淡口・黄口の4種類である。製造方法は創業以来ほとんど変わっていない。製法は、

 (1)反応漕(鉄の箱)に水銀と硫黄、苛性カリ又は苛性ソーダを加え。蓋をし、振蘯機(しんとうき)に入れ、半日ほど蒸気を加えて熱しながら振動を与え、化学反応を促進する。

 (2)出来た朱を壺に移し、水を換えて洗い、次に酸を加え桶に入れた小さい壺に移し、蒸気で熱し中和を促進する。



 (3)朱を数度石臼にかけ、粒子を揃え不純物を取り除く。







(4)朱を焙烙に移し、一昼夜程度、炉にかけて乾燥させる。これを篩にかけ、箱詰めする。製品の単位は半斤(300g)である。


朱の原料であるすいぎんは、メキシコやスペインなどから輸入しており、その入手に特に支障はない。しかし、代用の顔料の普及で戦前に比べ朱の需要は激減しているが、昨今、本物の朱が見直されてきており、後継者さえ育てば供給の見通しは明るい。 金華科学工業所をはじめ製造者の皆さんが、我が国の代名詞である漆器(JAPAN)に不可欠な顔料である朱を良質な形で供給し続けて下さることを念願するものである。

 (大阪府教育委員会文化財保護課 主査 森 成元)


印泥の色合いと品質基準
ご承知通り「印泥」は硫化水銀を主成分として作られる自然の産品とも言える製品です。
同一印泥種ならその印泥個々の色調は一定の範囲下に収まる、とは言え化学製品のように狭い範囲に収まるものではなく同一品種、且つ同一製造ロットの印泥も個々により色調は微妙に異なります。

中国伝承の“印泥”: 
「硫化第二水銀」と「もぐさ(藻草)」、そして各印泥廠および印泥職人が秘伝とする「あぶら」の練製品です。
主原料である硫化第二水銀をはじめ全ての原料は天然素材であり、「硫化第二水銀」を含めいずれもが同一ロットのものでも品質に巾を持ち、印泥の基本品質とは直接の関係がない「色合い」という色調の面からみてもある程度の巾が生じる素材です。
印泥の色合いは『「硫化第二水銀と硫黄」、「苛性カリ」、又は「苛性ソーダ」を混ぜて色合い調整を図ります』が同じ「赤口」「黄口」等と表現し、かつ同じ色調を目指し材料を調整しましても製造ロットにより、更には同一製造ロットの色合いでありましても個体毎に微妙に異なることがあります。

また印泥は中国ならではの複雑・多様な印泥の製造元が乱立し、これらの製造元がそれぞれに造る印泥を、やはり実に多くの販路・流通路を経て日本にもたらされます。
この多様な製造元・輸入路の製品には印泥各々の本来の製造元がその製品を正しく流通させる正規品に加えて、有名印泥廠の印泥を模し印泥名を盗用する模倣印泥、印泥名に加えて有名ブランドの商標をも模造し出荷される偽造品が数多く含まれます。

弊社、みなせ筆本舗が契約し輸入する印泥は正規印泥廠が作りその正規輸出機関が輸出する印泥で、弊社輸入印泥の全てがこの正規ルートのものです。

印泥 : 品質の基本
「印泥の品質」に関し、
「印泥品質基準」ではない「印泥の色合い」を印泥品質の基準であるが如く説明する例が多く見られます。
印泥の品質は「押印時の色合い。あるいは外観的色合い」にあるのではなく「押印」時の「付き易さ」「篆刻作家が刻した字形の再現性」、そして「刻した線質のより切れのよい再現性」が如何にもたらされるか、により判断されます。
「刻した線質のより切れのよい再現性」は主原料の「硫化第二水銀を如何に細かく処理出来るか」にかかります。
近年好評の式熊印泥、およびその高級版として好評を博する「高式熊印泥」等を含め石泉、西印社等々有名印泥廠の各印泥が篆刻家に好評を博し続けているのは印泥種による「色合いの差」にあるのではなく前述の「付き易さ、刻した線質の切れ味の再現性の佳さ」によります。

印泥を混ぜ合わせる:
印泥 : いろいろな印泥を混ぜ篆刻家自身の好みの色調に育ていく。
     これは篆刻界ではよく見られる光景です。
印泥が正規印泥製造者の手になる印泥である場合は各種印泥を混ぜることに基本的な問題はありません。
「元の印泥色」と同色を求め「混合」される場合
この場合は同一印泥銘柄でありましても前述のこと、印泥個体毎に色合いは微妙に異なります。
使用者個々の印泥色調への感性、及び許容範囲にかかる可否がその判断基準ですのでご自身で可否のご判断を下さい。
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