|
|||
|
端渓 新資料の流れ 〜 | 2001〜2003年 | ||||||
1999年 | 2000年 | 2001年〜2003年 | 03年 U | 2005年 | |||
2006年 | 2007年〜 | 2007年12月 | 「 端渓のまことを伝えたい 」のトップへ |
2001年11月2日 2001年10月22日、現地へ調査ご希望の方をご案内するときは、いつも現況を電話などで確認してから出発するのに、ここ3年間減水しなかったので、今回も恐らく水が引いていないだろう、と勝手に予測、西江の水位など何も予備知識を持たず出発。 参加数も総員で4人のみ。 同10月25日、帰国。 現時点の、老坑と坑仔巌、それに西江の写真を少し撮ってきました。 水は引いていないだろう、との予測のもと、期待しないで出かけました。予測に反して西江は順調に減水していました。 地球温暖化で、今後、西江は採掘可能水位まで減水しないのではないか、との危惧は去りました。 老巧へ渡る渡し場。 ここまで水位が下がるのは4年ぶり。 |
西江を渡り老坑へ巡る小道の 鉄扉。閉鎖されたままです。 |
しかし、1980年の老坑への新入り口開設により、坑入り口から坑底への導坑が整備され、搬出にも電動トロッコが活躍するなど採掘の環境が良くなり
大量採掘された老坑原石は在庫の山。 坑から掘り出した手つかずののままの状態で数多く残っています。 老坑と坑仔巌坑は国営です。在庫が一定量売れて資金が出来ないと、政府の関連機関は採掘資金を届けません。つまり、採掘資金が届かないと老坑再開はないと言うことになります。 現地では、後5年間は掘らないと思う、と言っていました。それだけ在庫があるということです。 これらを逆から考えると、歴史上、老坑の硯がこれほど豊富に、また求めやすい価格で供給されたことはないと言うことになります。 坑仔巌も、前述しています通り、まだまだ在庫で溢れています。老坑・坑仔巌の入り口が閉鎖されているのは当然ですが、そこへ至る小道の鉄扉も閉鎖されたままになっています。 しかし、坑が閉鎖されているのを悪用し、「老坑・坑仔巌は閉鎖された。在庫も少なく、価格が上がらない内に買わないと高くなりますよ。現物も入手難になりますよ。」などとの偽情報を流し、商売に結びつけようとする人たちが既に現れ、活動しています。 ご注意ください。 |
峡南、老坑側の船着場。水位が 下がっているのがよく分かります。 老坑を閉ざす扉も鍵 も錆が出ています。 |
閉鎖後わずか1年、坑仔巌の職人さんが居住して いた坑入り口前の小屋、既に廃墟のようです。 |
|
毎日採掘の職人たちが何人も上り下りしていた坑仔巌へ至る山道。 草が生い茂り原始の状態に戻ったかのようです。 |
|
|
|
2001年11月18日、肇慶の硯工場から緊急連絡が入る 近年、採掘する坑口の整備と、電気を動力とする機械の導入が進んだことが遠因になり、老坑・坑仔巌坑共に在庫過剰に陥り、両坑とも暫くの閉鎖が決定。 「禍福は糾える縄のごとし」、とはよくぞ言ったものです。 以下をどうぞご覧下さい。 |
|
2001年11月18日、肇慶の硯工場から電話&FAXで緊急連絡が入る。 簡単に説明すると、最近、老坑坑口の鍵の管理人に指定された 黎さん 馮さん 黄さんの三人と話し合う機会を持った。 彼らが老坑を管理する(最低2〜3年)間は老坑の再開はしない。 そして、彼らの上役(肇慶市二軽局=金山などの鉱産物管理部局=の幹部)も老坑の採掘再開に反対している。 この三人が辞めた後、後任者が再開するかどうかは、今の時点では全く不明です、と言う内容です。 今回の老坑閉鎖は、原石盗難を理由にした閉鎖に始まり、西江の減水が充分でなく老坑へ入坑できない、つまり閉鎖と同様の状況へと続き、今回の決定につながりました。 原石盗難の警備策強化を理由にした閉鎖も、その時既に、老坑への新入口からの採掘が20年近くも続き、採掘条件の大幅な改善による過剰採掘、それによる過剰在庫で、老坑の監督機関は困っていた、それが原因のひとつと考えられます。 多分、少なくとも後2〜3年、全部で6〜7年間は閉鎖と言うことになりそうです。 何年後になるかはわかりませんが、現在すでに掘り出した老坑原石の在庫が適正量になる頃、採掘再開を決定するような人物が肇慶市二軽局の幹部に現れるかどうかで再開の時期は決まりそうです。 原石が沢山あるので不安は余りありませんが、いつ再開するのか気になることです。 老坑再開が暫くないことがハッキリしましたので、特に現場の情勢に変化が生じない限り、この更新も暫く間を空けざるを得ないことになりそうです。 「老坑閉鎖」情報 続 へのリンク箇所へ しかし、今までの経緯からも、もうすぐ、いや既にデマが広がりかけているかも知れません。 「老坑は採れなくなった。私たちの手持ちだけで、もうあとは無い。」などとの、1990年前後から広められたデマと同種のデマです。 本当は全く逆なのです(噂に踊らされたり、誤解しないようご注意下さい)。 前述通り、老坑は健在ですし、今年は西江の水も3年ぶりに引きました。 渇水期に採掘しようとすれば、老坑はいくらでも採れるのです。採らないのは在庫が過剰だからなのです。 だが、老坑が他の坑と根本的に違うのは、いくら在庫が過剰だからと言っても現地で価格が下がることはないのです。 何故なら、その採掘に当たっての品質検査は、異常とも思えるほど厳しいのです。 そして、その厳しい検査に合格した老坑原石だけが、「老坑の硯」として出品されるのです。 この厳しい検査に合格せず廃棄された(正規の老坑採掘機関が老坑の硯としては出品できないと判断した)老坑原石を利用し、老坑の硯として出品したり(老坑原石で造った硯、それ即ち老坑の硯と言うことにはならないのです。正規に認められた老坑の硯とは、検査に合格した石から造られた硯だけなのです)、坑仔巌を老坑と偽って、「私たちは特別なルートを持っているから老坑を安く販売できるのです」などと、詐欺同然の商法を繰り返す人たちが活躍を再開する恐れがあります。 繰り返します。 正規に認められた老坑の硯とは、厳しい検査に合格した老坑原石から造られた硯だけなのです。そして、その検査は異常とも思えるほど厳しいのです。だから、過剰な在庫があるからと言って現地で価格が下がることはないし、採掘が中止されたからと言って価格が高騰することにもならないのです。 繰り返しばかりで申し訳有りませんが、 @老坑の硯は十二分の在庫があります。従いまして、価格が急激に高騰することはあり得ません。 A採掘済みの原石が適正在庫まで減少したときには、間違いなく採掘を再開するはずです。 B老坑に廉価品はありません。もし有れば、何かが変えられているのです。 2002年正月には、以上の誤解の元になりかねない手紙が弊社にまで届きました。 老坑がなくなる、又は少なくなるどころか、在庫が多過ぎて、暫くの間、生産調整のため坑を閉めるのにもかかわらず、1990年頃から広められた例の流言、「老坑は閉鎖された、枯渇したのだ」などの噂が再び流されるのではと心配していましたが、早くも2002年の年賀状として弊社宛に届いた広東省の**貿易公司と称する会社からの手紙には(原文のままですので読み辛いところもありますがご容赦下さい) 「情報:老坑の原材料を開採することはストップになって一年間でした。」 と、老坑は採れないのでは?との誤解を生じさせかねない、いや誤解を期待するかのような内容で届いています。 老坑採掘の唯一の物理的条件、ここ数年減水しなかった西江は、今期、老坑採掘可能水位まで減水したことが確認できました。残る老坑採掘に当たっての障害はただ一つ「在庫過剰」なのです。しかしこの状況は、前述通り逆に考えると、歴史上、老坑の硯がこれほど豊富で、また求めやすい価格で供給されたことは無かったと言う現状をもたらしたわけですし、枯渇するなどの心配もないと言うことなのです。 以上の状況をお伝えし、老坑などの採掘に関して現地での動きが止まった今(老坑・坑仔巖などの流通過程で繰り広げられるであろう噂・流言は盛んになるでしょうが)、現地情勢に新たな動きが起きるまで暫く休暇させていただきます。 ⇒老坑閉鎖情報 続 「2005年」の頁へ 2003年年2月8日、ここ数年、端渓各坑の価格が大きく下がったのをチャンスと捉え、宋坑・麻子坑などから坑仔巖や老坑に買い換えられる書家の需要に応えて、坑仔巖の逸品ものを中心に新たな契約しました。 肇慶の日本向け高級端渓の輸出を主業務としていた硯工場は景気が極端に悪く、今まで、端渓の諸事情について、他の多くの硯工場がよくやるような、事実とは微妙に違う、しかし嘘とも言えない程度のことも決して言わなかった硯工場が 「坑仔巖坑などが閉鎖されて丸々二年が経過し在庫が少なくなってきている。もう値が上がりかけていますよ」とFAXしてきたのです。 実際は、閉鎖に至るここ何年か前からの過剰採掘=過剰在庫が解消する気配がまだ見えないから採掘を再開しない、つまり原石在庫はまだまだ過剰であるにも拘わらず、値上がりをちらつかせて契約を有利にしようとしている、又は早期の契約を狙っているのです。 事情はよく判っていますから、全く値上げ話に反応せず、以前からの下がった価格を逆提示しましたところ、僅か2日後に、弊社提示価格通りのサインした契約書を送ってきました。 今回の契約は、ここ十数年の契約量と比べると、多かった契約より二桁、少なかった時と比較しても一桁少ない契約量ですが、書家がご使用になる時、実用的な意味でよく揃っている高級硯ばかりなので入荷が楽しみです。大体3月下旬頃入荷する予定です。 03年 Uへ |
端渓 新資料の流れ 〜 | 2001〜2003年 | ⇒老坑閉鎖情報 続 「2005年」の頁へ | |||||
1999年 | 2000年 | 2001年〜2003年 | 03年 U | 2005年 | |||
2006年 | 2007年 | 2007年12月 | 「 端渓のまことを伝えたい 」のトップへ |
この頁へ | 「端渓のまことを伝えたい」序文へ | みなせトップへ |