筆 の 原 毛 に つ い て  狼=イタチ みなせトップへ 筆トップヘ
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狼=鼬(いたち) 玉毛=猫 狸&狢(むじな) 鹿&山馬 羊毛(山羊) 
貂(てん) 猪 ( 豚 ?) 化学繊維/ポリアミド繊維(ナイロン) 筆の実  兼毫??  

 鼬(いたち)=狼
狼=鼬(いたち)
筆原毛について特に多くいただくご質問は「狼(狼毫)」と表示される原毛の筆の「動物は」とのお問合せです。
中国で、最近は日本でも一部の関係者が「狼/狼毫」と表現する筆の原毛。
筆銘として、筆銘の一部として筆軸に彫刻する「狼/狼毫」。
「狼」「狼毫」は、日本語で言う「オオカミ」「オオカミの毛」ではなく「鼬=(いたち)」を指します。
「鶏豪」「豹毫」「鹿毫」「北毫」などと呼ばれ、筆軸に刻される、筆軸のシールに記される「」は中国語の「」で、日本語では「(いたち)を意味します。
いろいろある「※※狼」は中国で区別する「の種類」です。  
ちなみに中国で「黄鼠狼」と呼ばれる「狼毛」は、日本の製筆関係者の間で言う「日本鼬=(いたち)」と同種の鼬です。
    
2012年10月半ば、
書道の専門書も出版される某有名出版社様の「書道辞典」に「狼毫:犬の毛を用いた筆」と掲載されていることを知りました。
  日本語の「鼬(イタチ)」は中国では「狼毫」と記し、この狼毫に「狼毫」といろいろな文字が加えられ「黄鼠狼」「豹狼毫」「北狼毫」「鹿狼毫」・・・等の多様なイタチの種類を区分けし表します。
「狼毫」、即ち「狼の毛」の日本語直訳では「オオカミの毛」ですので、「狼毫」はこの「オオカミ」の直訳から「“狼毫”=“犬の毛”を用いた筆」と記述されたのだと推測します。
「毫」の本来の意味は“細く長い毛”ですので、「狼毫」は「オオカミ(狼)」、つまりは「犬の毛」と誤解されたままに記述されたのでしょう。
筆の原毛で「狼毫」と表現する時、その狼毫は中国語の借用で、中国書道業界との交流が盛んになりつつあった1960年代半ば頃から少しずつ日本の製筆界、書道業界に浸透してきた原毛の表現です。
現在の日本の製筆業界で「狼毫」と言えば「イタチ毛」を指す。これは十二分に浸透しています。
が、一部販路やご使用の一部では「オオカミ」の毛と誤解されている様子も窺えます。
 
日本鼬 ( 鼬は尻尾を使います)
猫じゃらしみたいでしょ。
性質は剛毛、しかし剛毛の中では中ぐらいの堅さと言えます。
更に、個々の鼬種・雄雌により弾力の差が大きい原毛で、製筆するときの手触りなどは柔毛のごとき感覚を受け、剛毛としては製筆に少し手間が掛かります。このしなやかさが墨含みの良さをもたらすようです。
筆に使用される毛の部位は「尻尾」です。

同種の鼬で比べると「雄鼬」の毛は雌鼬と比べると倍近く長く、更に弾力に富みます。「雌鼬」の毛は剛毛とされる鼬にしては柔らかい感じを受けます。雌鼬の毛だけで筆を作ると、充分弾力ある筆には仕立てにくいこともあり、雄鼬を主に作る筆の穂先には届かない短い構造部に入れ使用することが多くなります。

小動物なので主として筆頭の出丈=軸から出ている筆の長さ=が30mm位前後までの小筆が主になります。
何千匹もの鼬から長い毛を集め、時には長いものが出来ることがあります。
現在が確保している鼬筆頭の最長は軸からでている筆頭の長さが約90oあります。
この丈は鼬としては異常な長さと言えます。
筆頭の軸から出ている長さ90o。
私が今まで見た、そして手がけた鼬の中で一番長い筆です。
中国の懇意な公司が、やっと出来たとこの最長90oのものを先頭に、短いものでも70oもある鼬の筆、3年越しで集めた毛で出来た全量だとまとめて納品してくれました。

筆頭の軸から出ている長さ70o。
これでも鼬の筆では滅多にお目にかかれない大きさです。
この大きさでさえ、今回着いたうちでは一番小さいのです。

参考:唐筆で、鼬の既製品の最大とされる北京製の「被狼毫書画1号」は筆頭の長さ約65o、有名な上海工芸の「特制豹狼毫大提筆」は約45oです。

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