筆 の 原 毛 に つ い て うさぎ | みなせトップへ | 筆トップヘ |
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兔 | |||||||||||||||
兔(うさぎ)の筆の性質は、 ウサギの容姿、雰囲気などから受けるのとは真逆の「剛毛」筆で、それも弾力の強い筆の中でも特に強い部類に属します。 筆や書の、専門書とされる書籍の一部、またはそれに類する書物に「兔(うさぎ)の筆は柔らかく筆原毛として柔毛の代表。」などと説明されている例が数多くあります。 何時か昔、誰かが記した“製筆”にかかる本や、筆の“専門書”と称する本などに「兔(うさぎ)の筆は柔毛」、と記述されている。そして、後のいつか、筆に関する何かを書こうとする人が参考文献をさがしこの本の記述を利用する。 これが繰り返されます。 これらを調べた更に後の世代は、筆の専門書や参考資料のいずれも「兔の毛で造った筆は柔らかい」と記載されている。 だから「兔の筆」は「柔毛筆」、と信じ敷き写しする。説明をする。 そして「剛毛の代表でもある兔(うさぎ)筆」が「柔毛」と評される・・・。 真実が伝わらない伝承パターンのひとつです。 「兔の毛」は、弾力が特に強く、加えてよく選毛された毛を使う限り、毛先のザラザラ感も限りなく少なく、滑らか、且つ弾性豊かな筆なので、概ね好評です。 兔(うさぎ)筆の原毛としては二番手(少し質の劣る原毛)を使用するとき、この毛先の特徴はかなり減損し、少し粗く感じられることもあります。 筆造り工程の、ごく初期段階で行う毛揉み作業(原毛の油分と毛癖を取り去る作業)を必要以上に強く施しすぎても毛先の滑らかさは半減し、更に摩耗しやすい毛になります。毛揉み作業の的確さは製筆工程の大事な一つ、これは全ての原毛に当てはまります。 ウサギは鼬と同様、小動物なので筆頭の出丈=軸から出ている筆頭の長さ=が40mm位前後までの小筆が主になります。 ほとんどが野ウサギの毛で、兔により「黒」「うす茶」などがあり、この「うす茶色」が白ウサギ=白毫と呼ばれ、質はウサギ毛の中で紫毫と花豪の間に位置づけられています(筆原毛で本来言う「白ウサギ=白毫」は、常識的な色彩表現の白色ではありません。 白ウサギで作った代表的な唐筆に「写巻」「下筆春蚕食葉声」などがあります。 また、日本で言う「ウサギ毛の黒色」は更に区別され @紫毫 日本での常識的な色彩表現で「黒色」を指し、主原産地の中国関連者の間では兎毛で一番良い毛とされます。 「良い毛」です。そして、同一原毛で筆を作った時も「毛組」により「筆の性質」は大きく変わり、兔(うさぎ)の筆だから「性質はこうだ」と言うような限定された方向(性質)の筆に仕上がる、ということではありません。 また、作る筆の性質とは別途、使用者の 好みにより「ウサギ」の筆は嫌いと言う場合もあります。 これらを製造する中国筆工場の製筆管理者、および日本の一部の販路、製筆者などとも自称することがある、実際は販社の販路では、今も紫毫と呼ばれる獣毛が有名唐筆「精制大七紫三羊」「選豪円健」などの原毛である、との説明があります。 伝統的な筆原毛としては正に正解なのですが、昨今の原毛& 製筆の環境下、かなり事情は変化しました。 A花毫 紫毫とほぼ同色ですが、毛の上部、切っ先のほんの一部に、黒色なのですが黒のなかにやや白さが感じられます。 中国では「花毫」を@の紫毫に準じる毛質と位置付けられ、「双料写巻」「極品写巻小楷」などに使われているとの説明です(中国筆工場製筆管理者談)。 ★ そして、この紫毫と花毫の差は外観からではまず区別は困難です。 筆司としての私(山口j=そう=一が感じとる毛の手触りによる感覚から、「紫毫と花毫の毛先の滑らかさや弾力性はほぼ同じ。 イヤ同じと言うよりも差は区別出来ないと言った方が適切かも、とも感じます。 只、紫毫の方が毛丈全体として少し細身で摩耗への抵抗力もやや強い。」と感じます。 ウサギの原毛はほぼ100%中国からの輸入品ですが中国での選毛基準の詳細は知りません。 が、前述とおり、中国筆工場の連絡では
「ウサギの毛」は、製筆に当たっては同じ剛毛原毛でも「鼬」より楽に毛を取り扱え、作業が進みます。 |
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